GANの活用で進化するファッションAIソリューション

AIが進化をけん引するファッションEC向けソリューション

 

 アパレル/ファッション領域でのAI活用の模索が国内外でこれまでも進められてきているが多くが商品の特徴を解析することで、自動タグ付けやビジュアルサーチが中心となっていた。

 

 昨年よりGAN(敵対的生成ネットワーク)などの先進技術の進化系が実用化されており、その最新ソリューションについて紹介していきたい。

 

 

1.Mad Street DenのファッションAI

 

 Mad Street Den Incは2013年創業のAI開発企業だ。米国の他にインド、イギリスにも拠点を設けている。

 

 ForbesやBloombergといったメディア取り上げられる機会は多く、CEOのAshwini Asokanは世界中に10万人もののメンバーがおり、140以上の地域でイベントを開催している世界最大規模のの商品開発やマネジメントのコミュニティMind the Productのゲストスピーカーとして登壇もしている。

 

 Mad Street Den Incが開発するAIはVue,aiができることは主に以下の4つ。

 

  カタログマネジメント

AIが各商品を解析し、自動タグ付け、商品の詳細説明の記述、商品タイトル付けを行う。膨大な量の服の画像やファッションに関する用語などを学習したモデルが構築されている。 Vue,ai のAIにより、実店舗のスタイリストや店員をもしのぐファッションに関するナレッジが学習されたモデルにより、商品画像から洋服の特徴を解析し、カタログマネジメントを自動で行うことができる。

 

  オンラインサイトのパーソナライズ化

顧客の商品購入・閲覧履歴等の行動履歴を解析して、その顧客に合ったパーソナルページをリアルタイムで自動生成する。また数パターンのビデオを用意しておくと、AIで解析された顧客特性に合わせたビデオを流す機能もある。

 

  ビジュアルサーチ

ユーザーが服の画像をアップロードすると、求めている商品もしくは類似商品を検索できる。Vue,ai のAIにより、ECサイト上にある商品画像の形や素材、色などの特徴を解析した学習モデルを構築しており、ユーザーがアップロードした服の画像と類似性の高い商品をレコメンドされる。

 

  スタイリング自動生成

Vue,ai のAIによりAIが洋服を試着したモデルのスタイリングを自動生成することができる。モデルは多種多様な体型や肌の色などから選択することができ、このスタイリング自動生成がVue,aiの最大の特徴と言えるだろう。

 

 Vue,aiでは昨年から様々な分野で応用が進み始めているGAN(敵対的生成ネットワーク)を活用している。GANはAI研究の権威で現在はグーグル・ブレインの研究員を務めるイアン・グッドフェロー氏が開発した画像生成技術で、画像生成を行うAIと、生成された画像の評価を行う2つのAIを組み合わせて、ヒトによる評価の正解データをつけることなく、自動で画像生成を行うAIアルゴリズムである。

 

 Vue,aiでもモデルの試着画像を自動生成するAIアルゴリズムとヒトが服を着たスタイリング画像と評価を学習した評価アルゴリズムの2つのAIアルゴリズムを組み合わせている。

 

 1つ目のスタイリング画像の自動生成AIアルゴリズムでは、膨大な量のヒトの画像(人種や体型は千差万別)と服の画像をAIに学習させ、ヒトの画像と服の画像について特徴の解析を行い、様々なモデルが服を試着したスタイリング画像を自動生成するAIモデルとなっている。

 

 もう一つの評価アルゴリズムでは、予め洋服を着た人間のスタイリング画像とその評価を学習させたモデルを構築しており、この評価AIアルゴリズムで、もう一方のスタイリング画像の自動生成アルゴリズムが生成した試着画像を評価し、学習結果を自動でモデルに組み込むという処理を自動で繰り返しながら進化させて評価の高い自動生成した試着画像をレコメンドなどに活用するといった処理が行われている。

 

 

2.ファッションECのスタイリングの進化

 

 ファッション系ECサイトでは一般ユーザー、ショップ店員などのスタイリング紹介から商品購入につなげるというのが定石となっているが、実際にショップ店員やモデルなどが商品となる服を試着することが必要であり、そのためユーザーにレコメンドできるスタイリングのバリエーションには限界があった。

 

 しかし、 AIによるスタイリングの自動生成により、理論上スタイリングをパーソナライズして自動生成することなども可能となり、スタイリングを中心に据えた商品販売の可能性が大きく広がっている。

 

 今後はヒトのモデルによるスタイリング紹介による販売だけではなく、こうしたAIを活用したスタイリングの自動生成により、ユーザーがより服を着たイメージを実際に目で見て購入できるようにすることでオンラインでの服の販売のハードルを下げていく仕組みが広がることでアパレルECの裾野が広がっていくだろう。

 

 

 

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執筆者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

AI/INNOVATION SOLUTIONチーム

 

大手通信会社、総合商社、大手メディア企業、クラウドベンダーなど多様な業種でのAIプロジェクトの推進支援や新規事業創出推進支援を実施。各メンバーの支援実績や知見の活用と外部パートナーとも連携しながら業種を問わず大手企業におけるAIプロジェクトを推進や、新規事業/イノベーション創出に関連するソリューションを提供。

 

監修者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

執行役員パートナー 東條 貴志

 

スタートアップでの新規事業立ち上げや事業責任者などの経験と、アーサーアンダーセン、ローランド・ベルガーなど複数ファームでの10数年のキャリアに基づく先端領域における大手企業の新規事業・イノベーション創出支援やAI/機械学習を活用した事業創出/業務改革に多数の経験を有す。

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