コーセーのアクセラレータープログラム「コーセーとの共創におけるInnovation Program」事務局インタビュー

国内大手化粧品メーカー初のアクセラレータープログラムを実施するコーセー

 

  多様なライフスタイルによる様々な美しさに対するニーズに合わせて、雪肌精やアディクション、ジルスチュアートなど多彩な世界観を持つ40以上の化粧品ブランドを展開する株式会社コーセーは、国内大手化粧品メーカーで初となるアクセラレータープログラム「コーセーとの共創におけるInnovation Program」のスタートアップ募集を6月14日(木)より開始しました。

 

 今なぜコーセーがアクセラレータープログラムに取り組むのか?

 

 今回、プログラム推進を行う事務局の皆様に、実施の背景や取り組みで目指すものなどを伺うべく、ベルテクス・パートナーズ 執行役員パートナー 東條がインタビューを実施しました。

 

今回インタビューを行った「コーセーとの共創におけるInnovation Program」事務局の皆様

  経営企画部 経営企画室 課長 持田卓也氏 (写真中央左)

  経営企画部 経営企画室 高橋彩子氏 (写真中央右)

  人事部 人材開発室 課長 草野知之氏 (写真右)

  人事部 人材開発室 福薗正幸氏 (写真左)

 

 

―――聞き手、ベルテクス・パートナーズ東條(以下、東條) 本日は、お忙しい中、お話を伺う機会をいただきありがとうございます。早速、「コーセーとの共創におけるInnovation Program」について詳しくお伺いできればと思いますが、海外ではロレアル、セフォラなど美容業界でもアクセラレータープログラムに積極的に取り組む企業が多く存在する中、国内化粧品業界では大手化粧品メーカーでこうしたアクセラレータープログラムに取り組む企業というのはまだあまりなかったと思います。今回コーセーがアクセラレータープログラムを始めたのは、どのような背景があってのことだったのでしょうか?

 

持田卓也氏、(以下、敬称略) まず社内に関して言えば、クローズドですが選抜メンバーを集めて新たな事業アイデアを出して経営層に提言/プレゼンを行うという取り組みは継続的に以前より行われていました。どちらかといえば、社内風土醸成や組織の活性化という意味あいも強かったと思います。

 

 昨年度からは既存の延長線上にない価値創造の実現を目的に、メンバー自身がアイデア公募から実証実験、事業化までを一気通貫に行える仕組みにした社内ベンチャー制度を立ち上げました。

 

 メンバーは、その検討プロセスの中で自らの協業アイデアもって実際にスタートアップ企業に提案へ出向くなど、一部オープンイノベーション的要素を加え、実施する試みを行ってきました。

 

 今年度はそれらの取り組みの更なる加速を目指して、初めから社外のスタートアップ企業持つ技術やアイデアを募集し、積極的にコーセーのリソースと融合して実証実験や事業化まで進めていくためのアクセラレータープログラムへと発展させていくことになりました。

 

高橋彩子氏、(以下、敬称略) 私達が既存の延長線上にない価値創造に力を入れているのは、お客様の価値観/買い方/消費行動の多様化により、購入価格帯だけではなく、それぞれの嗜好に合わせたきめ細かい商品/コミュニケーション/売り方が求められるようになって来たということがあります。対応すべきニーズの多様化が急速に進んでおり、オープンイノベーションの取り組みをその対応策の選択肢の一つとして進めることになりました。

 

 

――― 東條 「コーセーとの共創におけるInnovation Program」では、具体的にどのようなことを実現していこうと考えているのでしょうか?

 

持田 今期からスタートした新ビジョンや中期経営計画の中にも、独自の価値を創出し続ける企業を目指すという目標があります。そういった取り組みの中の一環としても、自前主義だけではなく積極的に外部のアイデアや技術と連携して、オープンイノベーションによる価値創造を進めていきたいと思っています。

 

 テーマとしては、​「テクノロジーを活用したユーザーコミュニケーション」、「新しい美容サービスの創造」、「​先端技術・新素材によるプロダクト・サービス開発」という3つのテーマを掲げており、具体的にはAIなど最先端のデジタル技術を活用した新しい売り方などにつながるサービス・事業の創出や、既存の化粧品の可能性を広げるような素材技術などといった領域で考えています。

 

 最初は小さな取り組みでもいいので、新しい事業の創造に結びつくところまで、応募いただくスタートアップの皆様と一緒に協業の可能性を模索していきたいですね。

 

高橋 全く新しい事業の創造だけではなく、既存のコーセーのビジネスを強化していくことを通じて両社でWin-Winの関係が築けるようなアイデアを一緒に考えていただけるスタートアップの皆様からも是非応募いただければと思います。

 

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――― 東條 他の業界に目を転じると既に多くのアクセラレータープログラムが様々な企業によって行われているが他のアクセラレータープログラムとは違うプログラムの特色は何でしょうか?

 

持田 多くのアクセラレータープログラムでも共創を目指すということを掲げているかと思いますが、他のプログラムではあまり見られない、また当社にとってもチャレンジングな試みだと思っているのは、先程もお話したコーセー社内で立候補し選抜されたメンバーと共同でチームを作って一緒にアイデアをブラッシュアップしていくということが挙げられるかと思います。

 

 新しいことを実現することに熱量をもった社内メンバー、また社内関連部門のメンターおよび外部サポーターとも密に連携をしていきますので、コーセーの内情などもより深く理解してもらった上で、リアリティのある協業アイデアを一緒に検討でき、実証実験/事業化まで進めていける可能性を高めていけるのではないかと期待しています。

 

 

――― 東條 他のアクセラレータープログラムと比べても共同チームで検討など野心的な取り組みとなっており、その立ち上げに際して多くの障害もあったかと思いますが、とくに苦労された点とは?

 

草野知之氏、(以下、敬称略) 新しい価値創造の取り組みを全社的に進めるに当たって、社内風土をどう変えていくかということには苦心をしました。実績も非常に好調な状況なため、従来からのビジネスモデルでの事業展開だけでイノベーションと呼べるような新しい取り組みがなくても成長を続けることができ、ダイナミックな変革を促がす取り組みが求められる土壌があまりなかったのではないかと思います。

 

 しかし、時代の変化も進んでお客様のニーズや消費行動も変わりつつあり、そういった変化に対応できる新しいビジネスモデルを作るような人材育成と、そういったイノベーションを進めていける社内風土に変えていくことが必要ではないかという危機感を持つようになってきました。

 

 そのため、9年ほど前から次期のビジネスリーダーになる人材育成プログラムにも取り組んできて、様々な事業提案を考えるといった取り組みを行ってきました。 中には非常に有望な提案があり、すぐに取り組むべきと社長から言われるような事業アイデアもあったのですが、進める上での様々な制約などもあり、なかなか事業化まで至らないという課題がありました。

 

福薗正幸氏、(以下、敬称略) 新しい価値創造の取り組みは、過去に何度もチャレンジしてきたが、アイデアの発案者が所属する部門での既存業務との兼ね合いなど、具体化する上でのハードルがあって、コーセー社内だけでは新しいアイデアを進めにくいという状況がありました。

 

 かつてはクロスファンクションという形でアイデア推進する体制を作って取り組んでみましたが、それだけでは人も育たないし、そもそもイノベーションの種をつけることもできずに取り組みが止まってしまっていた。

 

草野 この社内風土をどう変えていくかということが長年の課題で本当に大変でした。そこで、3年ほど前から経営企画部もより深く関わることで徐々にプログラムを進化させていき、試行錯誤を繰り返しながら、今回のプログラムが生まれました。

 

福薗 外部企業と一緒に考えることで、コーセーも変わっていきつつ、協業パートナーと一緒に成長を共有し、価値を高めていきたいという想いがあります。

 

 

――― 東條 長期の社内変革にもつながる取り組みとして動いてきたプログラムということかと思いますが、今回参加してもらうスタートアップ企業にはどのようなことを期待されているのでしょうか?

 

持田 化粧品業界は、お客様を幸せにし、世の中を明るくできる素晴らしい産業だと思います。皆様がお持ちの技術や知恵といったものに加えて、コーセーの持つリソース・強みを活用してもらいながら、その組み合わせによる相乗効果を発揮でき、新たなニーズを世の中に創出できるようなご提案をいただけると大変嬉しいですね。

 

福薗 化粧品関連だけではなく、化粧品から離れる周辺領域も含めて、遠慮なくいろいろな発想でアプローチを考えていただけると非常に嬉しいなと思います。 化粧品業界は、いろいろな規制がある中でのビジネスでもあり、社員はその制約の中で様々な取り組みを進めてきました。

 

 しかし、それらの制約をぶち破れるのはやはり社外のスタートアップの皆様のアイデア・技術だと思うので、化粧品業界について知らないことが多くても全く問題ありませんので、一緒に検討を行うことで何か化学反応を起こせればと期待しています。化粧品ということに捕らわれ過ぎずに、全く違う世界からの提案もいただけるとありがたいです。

 

 

 

――― 東條 今回のアクセラレータープログラムはコーセーにとってオープンイノベーションの取り組みを本格的に進める第一歩かと思いますが、今後はどういう方向にオープンイノベーションの取り組みを進化させていくのでしょうか?

 

高橋 こういった社外との連携により新しい価値創造に取り組むという風土が既存部門の中でも当たり前のものとして醸成されるように全社に浸透させていきたいと考えています。化粧品と周辺領域でのモノ、サービス、体験の機能価値、感性的価値を高めていくためには社外の技術/アイデアと連携するオープンイノベーションの取り組みは必須であり積極的に拡大していきたいですね。

 

持田 化粧品は、商品そのもの自体にも非常に素晴らしい価値はありますが、例えば提供の仕方・コミュニケーションの仕方含め、サービス全体に関してもまだまだ可能性が多くあると思います。このような期間を区切ったプログラムだけでなく、日常的にコーセーがまだ組み合わさったことのない技術やリソースとの連携できる機会を多く作り、その可能性を広げていきたいですね。

 

 また、世の中や我々を取り巻く業界の変化も激しいので、コーセーもそれらの変化に取り残されないように、スピード感を上げて取り組んでいきたいと思っています。

 

 

――― 東條 それでは、最後に今回の「コーセーとの共創におけるInnovation Program」への応募を検討しているスタートアップへのメッセージをお願いします。

 

草野 コーセーと一緒に成長していくことを目指していただけるスタートアップの皆様に是非応募いただければと思います。

 

福園 最初の取り組みは狭い領域でも構わないので、コーセーとともに世界を変えるということに情熱をぶつけられるスタートアップの皆様と一緒にいろいろな事業を考えていきたいですね。

 

高橋 化粧品は女性に限らず夢を提供できる商材なので、お客さんが喜んでもらえるモノを考え、提供して行くことに一緒に取り組んでいただけるスタートアップの皆様に応募いただければと思います。

 

持田 世の中をもっと明るくするために、我々が気づかない新しいやり方やイノベーションがあるのではないかと思っています。こうした想いに共感いただけるスタートアップの皆様に是非、ご応募いただければなと思います。

 

――― 東條 本日はお忙しいところインタビューのお時間をいただきありがとうございました。

 

コーセーのアクセラレータープログラム「コーセーとの共創におけるInnovation Program」は6/14~7/30までスタートアップの皆様からの応募を受け付けています。

 

 

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執筆者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

執行役員パートナー 東條 貴志

 

スタートアップでの新規事業立ち上げや事業責任者などの経験と、アーサーアンダーセン、ローランド・ベルガーなど複数ファームでの10数年のキャリアに基づく先端領域における大手企業の新規事業・イノベーション創出支援やAI/機械学習を活用した事業創出/業務改革に多数の経験を有す。

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