海外での文章自動生成AIのSEO活用事例

新たな活用方法の模索が続く自然言語処理AIによる文章自動生成

 

 自然言語処理の技術進化により、国内も含めて様々な活用方法が提案され、サービス化されている。ニュースやスポーツの速報記事や金融機関の各種の定型レポートの自動生成などは自然言語処理が活用され、サービスも普及し始めている分野である。そのような、様々な活用用途が模索される自然言語処理での海外の新たな活用事例を紹介していきたい。

 

 

1.Automated Insightsの文章自動生成AI

 

 2007年に米国で創業されたAutomated Insights Incは、自然言語処理AIに事前学習をさせた文章などを基に、様々なデータを読み込ませることでそれらに関連する文章を自動作成するAIを開発する企業だ。

 

 取引先企業としてフィットネス業界や金融、メディア、不動産、スポーツ等の多種多様な業界へサービス提供を行っており、製品だけではなく、職場環境が優れていることも有名で、トライアングル・ビジネス・ジャーナルの「2017年最も職場環境に優れている企業2017」で見事受賞をしたりもしている。

 

 主力商品Wordsmithは、予めサンプル記事や報告書などのレポートを学習させることで、AIに制作させる文章の、文体、使用するべき単語等を学習する。

 

 例えばオンラインメディア運営事業者なら過去の記事をアップロードするだけ、金融業界なら過去の報告書などの文章データを学習させ、後は文章化したい記事に関するデータをCSVでリスト化してアップロードすることにより自動的に文章作成を行うことができる。

 

 例えば、ニュースメディアで新商品情報の記事を学習させた後に、「企業名:Apple」、「発表商品:iPhone X」、「予約開始日:2017年10月27日」というデータを登録するとWordsmithは事前に学習した文体やフォーマット等とインプット情報を照合して、過去の記事の文体などを踏まえてAIが最適な文章作成を行う。

 

 AIによる解析の結果、「Appleが新たな新機種iPhone Xの発売を発表した。予約開始日は2017年10月27日からApple Shop各店にて」などの文章を制作する。Wordsmithは数パターンの文章を同時に制作するので、その中から担当者が最も気に入った記事を選び必要に応じて記事の編集も可能になる。

 

 

2.Vivint Smart HomeのSEO対策としての記事自動制作の取り組み

 

 Vivint Smart Homeは1999年に設立され、米国ユタ州に本部を置く、従業員約11,000人を数えるスマートホーム製品販売のリーディングカンパニーだ。

 

 人気商品のトータルホームパックは、ホームセキュリティー、スマートホームテクノロジー、クラウドの3点セットで、顧客のスマートホーム作りをサポートするスマートホーム製品の販売から取り付けまで行っている。

 

 そんなVivint Smart Homeは顧客獲得の強化を目指し、自社運営のオンラインメディア強化に力を注ごうとしていた。スマートホームに関する自社サイトの記事を充実させることで、顧客への情報提供の強化と、検索からのサイト流入量を増やして、顧客獲得を進める取り組みの実施を目指していた。

 

 しかし新商品や新たな技術の発表サイクルが早い業界の性質上、迅速な記事制作が求められ、記事を量産する制作体制を作ることに苦慮していた。

 

 Vivint Smart Homeのデジタルマーケティング部マネージャーによると、目標記事数12,000を人間の手で行おうとした場合には、約2年の歳月がかかり、確保している予算からも大幅に超過してしまうため、手ごろな価格で、迅速に自動での記事制作できるWordsmith導入を決定した。

 

 導入後はこれまで制作してきた記事や製品情報等をWordsmithのAIに学習させ、新たに記事化をする商品の情報をインプットすることで大量の記事制作をAIで自動化させた。

 

 例えば、「Amazon Echo Show」と「スマートホーム」をキーワードとする記事制作を行う場合、Amazon Echo Showの特徴、スマートホームとの活用法などの情報をリスト化して登録するとWordsmithが、Amazon Echo Showのスマートホーム活用法に関する記事を自動で制作してくれる。

 

 Vivint Smart Home では、Wordsmith導入から数か月後には、目標を大幅に超える3万もの記事制作を実現した。それによりSEOでも劇的な効果が見られ、google検索ランキングでも、トップ1~2に位置するキーワードが数多く現れた。検索ランキングの上昇と比例するように、売上も大幅に増加し、最終的に、売上は前年比の5倍も増加するという劇的な効果を実現している

 

 

3.自然言語処理の汎用的な応用の可能性

 

 すでに小説の自動生成などの取り組みの模索など、かなり高度な文章生成の取り組みも最先端の現場では模索されているが、ビジネスの現場で活用することを考えた場合に、ヒトが作成しているが、ある程度パターンが決まっているモノの自動化というのが自然言語処理においても有効活用できる分野となるだろう。

 

 既に取り組みが進む速報の自動生成や金融業界でのレポートなどに加えて、今回はSEO対策で制作されるオウンドメディア記事などのAIによる文章自動生成の取り組みを紹介した。

 

 これら以外にもある程度の傾向でパターン化可能な文章を定期的に作成している場面はビジネスの現場で数多く存在しており、AIによる文章自動生成で業務削減できる余地は大いにあるだろう。こうした作業の自動化による業務の効率化は今後も様々な領域で模索され、進んでいくだろう。

 

 

 

 

 

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執筆者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

AI/INNOVATION SOLUTIONチーム

 

大手通信会社、総合商社、大手メディア企業、クラウドベンダーなど多様な業種でのAIプロジェクトの推進支援や新規事業創出推進支援を実施。各メンバーの支援実績や知見の活用と外部パートナーとも連携しながら業種を問わず大手企業におけるAIプロジェクトを推進や、新規事業/イノベーション創出に関連するソリューションを提供。

 

監修者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

執行役員パートナー 東條 貴志

 

スタートアップでの新規事業立ち上げや事業責任者などの経験と、アーサーアンダーセン、ローランド・ベルガーなど複数ファームでの10数年のキャリアに基づく先端領域における大手企業の新規事業・イノベーション創出支援やAI/機械学習を活用した事業創出/業務改革に多数の経験を有す。

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