イノベーション/新規事業創出で乗り越えるべき4つの壁

イノベーション/新規事業創出の変わらぬ難しさ

 

 イノベーション/新規事業創出プロジェクトは、多くの場合がすぐに目に見える成果を出すことは難しく、新規事業に取り組んだ経験が多くない事業会社にとっては、いつ利益が出るのかも見えにくいため既存事業とは比べ物にならない多くの障害にぶつかりながら取り組むことになる。

 

 過去10数年に渡り本領域に携わってきた経験から、イノベーション/新規事業創出推進で共通してぶつかることの多い4つの壁についてまずは紐解いていきたい。

 

目次

イノベーション/新規事業創出を阻む4つの壁

 

 

1.組織体制構築の壁

 

2.新規事業アイデア創出の壁

 

3.プログラム運営の壁

 

4.事業立ち上げの壁

1.イノベーション推進の組織体制構築の壁

 

 社内でもイノベーション/新規事業創出に並々ならぬ熱意を燃やして、いろいろな新しい事業の可能性を模索している担当者も、自分の会社の組織の壁にぶつかりうまくいかないというケースを様々な企業で共通して多く見かける。

 

 未知のマーケットに全力で挑戦しなければならないという状況なのに、その前に社内の壁にぶつかりチャレンジが失速/失敗するという残念な状況がイノベーション/新規事業創出を阻んでいる

 

 

1−1.

イノベーションに対する既存事業部門の非協力的な対応

 

 既存のビジネスで収益を立て、それらをKPIとして活動している既存事業部門にとって、日々の業務で多忙を極める中、どのような形であってもまだ収益も立っていないような新規事業にリソースを割くことは難しく、邪魔はしないが協力もしないということになりがちである。

 

 特に既存のビジネスに影響を及ぼすような可能性があるとなると非協力的な立場からさらに進んで、抵抗勢力ともなりかねない。相互の立場の違いを踏まえた上で、協力関係を築いてイノベーション/新規事業創出を進められるようにすることは新規事業成功に必須の要素となる。

 

【既存事業部門と協力関係を築くための具体的なアプローチ方法は?・・・近日公開】

 

 

1−2.

イノベーションに対する経営陣との共通認識の構築の失敗

 

 結局、実現したい新規事業というのは既存事業の延長としての事業なのか、飛び地で全く新しい領域での事業なのか?イノベーション/新規事業創出の議論を進めると必ず出てくる問いです。

 

 新規事業検討の場面でよく噴出するテーマだが、検討チームと経営陣でも、経営陣の中でも方向感が定まらずに議論が平行線を辿って紛糾する場面に出くわすことも多い。

 

 一体、このイノベーション/新規事業創出の検討を進めるチームはどちらの方向感で検討/提言を行おうとしているのか?チームの位置付けの定義や検討内容に合わせた体制を分けるなど検討内容に合わせた組織体の設計により、経営陣との認識の齟齬をなくすことは検討が必要である。

 

イノベーションに対する経営陣との共通認識を生み出す組織設計とは?

2.新規事業アイデア創出の壁

 

 事業開発部や研究開発部門の中にイノベーション/新規事業開発担当などを設置して、新たな収益の柱となる新規事業の可能性を模索している事業会社も多いかと思いますが、さていざ担当者を設定して新たな事業アイデアをと考え始めた時に、全くものになるアイデアが出ずに終わったというケースにも多く遭遇する。

 

 

2−1.

イノベーション/新規事業創出に方向性を定めず突っ走って失敗

 

 イノベーション/新規事業創出プロジェクトを鼻息荒く立ち上げてみたものの、結局、既存事業の延長線上にあるアイデアしか生まれず、わざわさイノベーション/新規事業創出のためのプロジェクトを作る必要もなかったというケースに出くわすことも多い。

 

 また、飛び地のアイデアをと考えていくうちに製造業なのに新たなカフェの立ち上げを目指すという何を狙ってなのかよく分からない、アイデアで検討を突き進めてしまうというマネジメントからすると笑えない提言が出てきてしまうようなケースもよくある。

 

 イノベーション/新規事業創出という旗印だけで進めてしまうと狙う領域もアイデアも全く一貫性がなく、一体何のために取り組む事業なのか?得られる成果は何なのか?が見えなくなり、新規事業新たな取り組みを進める機運がしぼみがちである。

 

 既存事業の隣接領域であれ、飛び地であれ、既存事業の延長線から脱しつつも地に足の着いた事業アイデアを創出するためには、狙う領域を定めての関係者の共通理解を作ることが必須である。

 

イノベーション/新規事業創出の領域特定の考え方とは?

 

2−2.

オープンイノベーションに対する過剰な幻想

 

 ここ数年ほどでオープンイノベーションという言葉も業種やポジションを問わず浸透し始め、スタートアップとの協業を進める事業会社も珍しくなくなりました。

 

 自社の既存事業や技術では思いつかなかった/実現することができなかった事業アイデアが生まれることは大きなメリットではありますが、協業に過剰な期待をかけ過ぎてしまい、スタートアップの思惑とのズレが生じた時点で検討推進に向けた協業を解消することになることも。

 

 スタートアップとの協業を進める上で何を相手に期待し、自分たちは何を提供するのかを明確にしてお互いにメリットが生まれる形を作ることが新たな事業の立ち上げ実現に必須である。

 

スタートアップをパートナーとする協業を成功に導く4原則

3.イノベーション/新規事業創出プログラム運営の壁

 

 社内でのビジネスコンテストによる技術シーズや社内のアイデアの発掘・事業化の取り組みやスタートアップなどと連携してのオープンイノベーションの取り組みが盛んに行われるようになり、それらの取り組みから生まれる事業による価値創出に対する期待が高まっている。

 

 

3−1.

オープンイノベーションプログラムで陥る自己満足の罠

 

 数年前までは一部のテック系界隈だけで聞かれた用語だったハッカソン、ピッチコンテンスト、アクセラレータといった用語が最近では大手メディアでも当たり前に取り上げられるようになり、各社何かしらの取り組みを検討/実施し始めている。

 

 しかし、これまで大きくメディアで取り上げられるような取り組みをしてきた企業も、その後、スタートアップなどとの協業を行い、成果を収めたという話を聞く機会は少ない。

 

 大会場を借りてのプレゼンなどメディア映えする取り組みだけでは意味がなく、その先の協業実現/事業立ち上げが目指すべき目標であるという点にこだわり抜いた施策がどれだけできているかが真のオープンイノベーションの成果を得るための鍵となる。

 

【オープンイノベーションプログラムで成果を生む手法とは?・・・近日公開】

 

 

3−2.

新規事業創出プログラムでゾンビ事業を大量生産

 

 社内の技術やアイデアを活用した社内アクセラレータプログラム/ビジネスコンテストで、新規事業の立ち上げを推進し、いくつかの事業は市場に投入することに成功している企業も出始めている。

 

 しかし、立ち上げた事業は本当に事業化する価値がある事業だったと断言できるような事業内容となっていたでしょうか?

 

 社内から出たアイデアのためよくよく精査せず検討を前に進めてしまい、うっかりするとプロトタイプまで開発してしまって引くに引けなくなってしまった事業アイデアもよく見かける。

 

 そういったゾンビ化してしまう事業アイデアを生み出さないためにも、イノベーション/新規事業創出プログラムとしての事業化/見切りの基準を明確にした制度設計の整備が必須となる。

 

【新規事業創出プログラムでの見込みのない事業の見切り方とは?・・・近日公開】

4.事業立ち上げの壁

 

 入念な調査や外部支援の活用などによりビジネスモデルを練り込み、マネジメントからの承認も獲得して、いざ実証実験/事業立ち上げとなった段階でチームに参画しているメンバーにその領域に関するビジネス経験がないためにうまく事業運営ができずに行き詰まるというケースをよく見かける。

 

 

4−1.

新規事業の実証実験/事業立ち上げのパートナー獲得に失敗

 

 全く新規の領域でビジネスの立ち上げを目指す場合、チームの知見の不足を補うために外部のパートナーとなる企業と協業を行うことが有力な選択肢となるが、適切なパートナーを見極めて提携まで持ち込んで行くことは容易ではない。

 

 自社の都合だけに合わせてリソースを提供してくれるパートナーは存在せず協業先にとってもメリットを感じさせるようなスキームを描いて交渉に臨むことが必要なる。

 

 新たに立ち上げる事業のビッグピクチャーを描き切り、そこから自社とパートナー相互にメリットがある形での協業スキームを作ることが必要となるが、そこまで準備できずに協業パートナーを確保することができずに事業立ち上げが停滞するという状況を多く見かける。

 

【イノベーションプログラムでのアライアンス推進の手法とは?・・・近日公開】

 

 

4−2.

新規事業領域の実務ノウハウがなくて事業立ち上げに失敗

 

 実ビジネスとして立ち上げるためには、まずは最初の売上と売り方の型を作るファーストクライアントの獲得が最重要課題となる。

 

 特にBtoBでの新規事業の立ち上げの場合、大手企業で既存顧客のルートセールス中心で効率的にビジネス展開をしてきた担当者にとって、ゼロ新規で自社のブランドだけでサービスが売れない状況で顧客獲得を行うことに苦戦するケースはとても多い。

 

 新規事業で最初の売上を作るための泥臭い営業アプローチを実践する。必要があれば伴走してくれるパートナーと売り方の型を学んで実践するということをどれだけ早く実行できるかが事業立ち上げの必須事項となる。

 

【新規事業での営業アプローチ確立に向けた売り方の型とは?・・・近日公開】

まとめ

 

 ここ数年の大手企業の取り組みを見て、同様にイノベーション/新規事業創出の取り組み強化を目指す企業が増えているが、見よう見まねの取り組みで実成果を出すところまで辿り着くのはなかなか難しいというのが実情ではないだろうか。

 

 これまでの数多くの企業のイノベーション/新規事業創出の支援に携わってきた経験を基に、今後、上記に記した壁を乗り越え事業立ち上げと新事業の成功に近づくためのアイデアを記していきたいと思う。

 

 

 

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執筆者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

執行役員パートナー 東條 貴志

 

スタートアップでの新規事業立ち上げや事業責任者などの経験と、アーサーアンダーセン、ローランド・ベルガーなど複数ファームでの10数年のキャリアに基づく先端領域における大手企業の新規事業・イノベーション創出支援やAI/機械学習を活用した事業創出/業務改革に多数の経験を有す

 

 

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