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Bayer HelathCareの取り組むデジタルヘルスケア/医療領域でのイノベーション事例


多様な領域のアクセラレータプログラムを運営するオープンイノベーション

 独医療/医薬品大手のバイエルが、「Grants4Apps Accelerator」を通して、デジタルヘルスケア/医療に特化したアクセラレータープログラムを実施している。

 ベルリンでスタートした取り組みは、バルセロナ、イタリア、モスクワ、東京、上海、シンガポール、サンフランシスコへと拡大を続け、さらにテーマ別のプログラムも幅広く展開している。

1.Bayer HelathCareのデジタルヘルスケア/医療領域のプログラム

 独医療/医薬品大手のBayerは、アスピリンの販売をしてきた事で知られ、2016年には遺伝子組み換え種子最大手のモンサントを6.8兆円で巨額買収した事でも話題となった企業だ。

 そんなBayerでヘルスケア部門を担うBayer HealthCareが、デジタルヘルスケア/医療に特化したアクセラレータープログラムを実施すると発表した。

 年間約200億ユーロの売上を誇るBayer HealthCareは、Bayerグループの中で個人向けの医療・製薬分野を担う会社だ。

 これまでにも多彩なプログラムを発表してきており、2017年4月現在Webサイトに掲載されているだけでもその数は17に上る。

 それぞれのプログラムでは、参加対象者、対象とする組織の形態(スタートアップや研究機関等)、金銭支援の額、地域など多様な形態を設定しており、様々なコラボレーション、アクセラレータープログラムが実施されている。

 コラボレーションの手法にもいくつかの種類があり、共同開発・施設提供、メンタリング、資金調達など、各プログラムごとに、かなりの幅がある。

 これまでに、60の国/地域から3,500を超えるアイデアが応募されてきており、実際に280を超えるプロジェクトで出資が実現し、Bayer HealthCareからは、のべ14,000人を超える社員がプロジェクトでの協業に携わってきているという。

2.Grants4Apps Acceleratorのプログラム内容とは?

 数あるプログラムの一つGrants4Apps Acceleratorは、デジタルヘルスケア/医療分野のスタートアップを対象とするアクセラレータープログラムだ。

 Bayerキャンパスのコワーキングスペースが無料提供される事となっており、対象者はスタートアップの開発チームに加えて、Bayer社員の起業志望者も受け入れるとしている点が特徴的なプログラムとなっている。

 参加スタートアップの展開するサービスは、ソフトウェア・ハードウェア、モバイルアプリ、ウェアラブル、メディカルサービスに至るまで多岐に渡っており、参加スタートアップは100日間に渡ってメンタリング、コーチング、ネットワーキングの機会を提供される。

 本プログラムには、すでに1,000を超えるスタートアップからの応募があり、これまでに50のスタートアップがプログラムに参加し、11のスタートアップが事業化に成功している。

3. ベルリンから世界の都市へ拡大を続ける

 本プログラムはベルリンでスタートしたが、その成功を受けてその後バルセロナ、上海、東京、モスクワ、シンガポール、イタリア、サンフランシスコへと開催地域を広げているという。

 ここでは2016年世界に各国から、様々な事業内容を持つスタートアップが集まった中から選出選出された企業の中で注目を集めた参加スタートアップを4社を紹介したい。

Oasis Websoft(ガーナ)

オンラインでヘルスケアの専門家に質問を投げかけられるアプリを開発。

Turbine(ハンガリー)

.AIを活用したデータ解析によりガン治療に取り組む。

Vital Smith (韓国)

唾液の分析を活用して、女性の不妊治療に取り組む。

Xbird(ドイツ)

健康を脅かす感染等を、スマートフォンやウェアラブル機器を活用したデータサイエンスにより予測する事を目指すスタートアップ。

4.オープンイノベーションの取り組みを複線化する

 本プログラムはデジタルヘルスケア/医療分野を対象としているが、これ以外にも様々なテーマ、地域でプログラムが展開されている。例えば日本では、Bayer Open Innovationと名付けたプログラムが提供されており、大学の研究者とバイオテックスタートアップとBayerの結びつきを強めるネットワーキングの機会が提供されている。

 また必要に応じて、Grants4Targetsを通した資金援助やGrans4Appsによる支援等が検討される。

 Bayer HealthCareのように、1つのアクセラレータープログラムだけでイノベーションの実現を目指すのではなく、狙いや参加スタートアップの支援内容の異なる複数のプログラムを展開する事で、スタートアップの支援のバリエーションを広げることで、協業/出資機会の拡大に成功している。

 日本では多くの企業アクセラレータープログラムが、1つのプログラムで地域展開を広げるといった取り組みに留まるところが大半だが、狙いと目的に合わせてプログラムの内容、地域、対象スタートアップ、協業方法を多様化することでオープンイノベーションの成果の最大化を試みる取り組みは今後も増えていくのではないだろうか。

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執筆者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

INNOVATION SOLUTIONチーム

大手通信会社、総合商社、大手メディア企業、クラウドベンダーなど多様な業種での新規事業創出推進支援を実施。各メンバーの支援実績や知見の活用と外部パートナーとも連携しながら業種を問わず大手企業における新規事業/イノベーション創出に関連するソリューションを提供。

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