AI/機械学習活用によるリアルタイムパーソナライズ

AI/機械学習が実現するリアルタイムパーソナライズのワンストップ提供

 

  顧客とのデジタルでのタッチポイントの多様化に伴い、プロモーションに合わせてそれぞれのタッチポイントでのキャンペーンを最適化し、効果検証/改善を行いながら収益、エンゲージメントの最大化を図るのは担当者にとって大きな負荷になってきている。

 

 個別の取り組みに対応した最適化ソリューションは多く登場しているが、現状は担当者がタッチポイントに合わせてソリューションを適宜選んで、つぎはぎのソリューションで何とか運営しているのが現状ではないだろうか。

 

 しかし、海外に目を向けるとそれらをワンストップで提供しているソリューションが大きく拡大をしてきている。

 

 

1.リアルタイムパーソナライズをワンストップで提供するDynami Yield

 

 2011年にイスラエルで創業されたDynamic Yieldは、AI/機械学習を活用してリアルタイムでWebサイト、アプリ、Eメールのメッセージのパーソナライズや商品レコメンデーションやA/Bテストをワンストップで実現するプラットフォームを提供している。

 

 類似の機能を提供するソリューション事業者も多く存在するが、各機能を単独で提供しているソリューション事業者が大半で、AI/機械学習を活用してこれだけ広範な領域でリアルタイムでのパーソナライズ/レコメンデーションをワンストップ実現しているソリューションはあまり見られない。

 

 具体的にはDynamic Yieldでは下記のような機能をワンストップで提供している。

 

  ウェブサイト/モバイルサイト/アプリのコンテンツのパーソナライズ

 

  リアルタイムでの自動Web接客

 

  商品レコメンドのパーソナライズ

 

  自動A/Bテスト

 

  外部サイトでの広告配信の自動最適化

 

  Eメールのパーソナライズ配信

 

  リアルタイムで行動履歴などに基づくユーザーのセグメント化

 

 提供しているサービスの規模も非常に大きく、提供先企業の対象ユーザーは総計6億人/月、100億PV/月パーソナライズ/レコメンデーションを行っている。

 

 とくにリアルタイムでの行動履歴/カスタマーデータと連携してのセグメント化とそれに合わせたパーソナライズを一気通貫で様々な手段で提供できることが大きな強みとなっている。

 

 現在は創業地のテルアビブに加えて、ニューヨーク、サンフランシスコ、フィラデルフィア、そして欧州はベルリン、パリ、ロンドンに加えて、モスクワ、シンガポールなどグロバールに拠点を拡大しており、Dynamic Yieldが開発するAI/プラットフォームは、「マーケティングのあり方さえも変える」と評価されている。

 

 Dynamic Yieldの顧客としてはEC事業者、メディア、旅行、ゲームなど幅広い業界で導入されて、IKEOやSEPHORAなど大手企業も顧客として名を連ねており、今後はさらにグローバルで大手企業に採用されていくことが見込まれる。

 

 

2.短期間で成果を出すためのワンストップソリューション活用
(Sabon NYCの事例)

 

 Sabon NYCはアメリカ合衆国に拠点を置く、石鹸やボディケア製品を販売する企業だ。ニューヨークとシカゴに数多くの店舗を構えているが、オンラインサイトも展開している。

 

 Sabon NYCは年末商戦での短期決戦での売上最大化を実現する方法を模索していた。特に11月の第4金曜日に行われる大規模セール、ブラックフライデーでいかに売上拡大を加速させるかが毎年の大きな悩みだった。

 

 実店舗への来客を増やすことも重要だが、Sabon NYCの実店舗はニューヨークとシカゴのみで、実店舗集客の増大にはどうしても限界があった。

 

 一方、自社ECサイトであれば、全米の潜在顧客にアプローチすることができ、実店舗とは比べ物にならない集客が実現できると考え、SabonNYCはオンラインでの売上増加に注力することにした。 過去の取り組みデータから、Sabon NYCはブラックフライデーを含む祝日のアクセス数増加は2~3日間でピークアウトすることが分かっていた。

 

 実店舗も同様に繁忙を極める状況でで多くの従業員が商品を店頭に並べたり、顧客対応の応援でオフィスから離れるため、自社ECサイトの売り上げを伸ばせる方法を模索していた。

 

 しかし、ブラックフライデーのキャンペーン期間中に担当者がキャンペーンやコンテンツなどを効果検証を行い、修正するというのは現実的に難しく、キャンペーン期間中に各種施策を自動でリアルタイムに最適化を行うことが求められていた。そのような状況の中で白羽の矢が立てられたのが、Dynamic YieldのAI/機械学習を活用したパーソナライズソリューションだった。

 

 

3.AI/機械学習によるリアルタイムパーソナライズで売上アップ

 

 SabonNYCはDynamic YieldのAI/機械学習を活用したパーソナライズソリューションを活用してブラックフライデーに合わせたバーゲンセールページのパーソナライズ化に取りかかった。

 

 まずはWebサイトのコンテンツをパーツ分けし、パーツの位置を組み替え、様々なパターンのWebサイトコンテンツを作るのだ。 完成した数パターンのWebサイトとユーザーのサイト内での行動に合わせたリアルタムメッセージやビデオの表示ルールを、Dynamic YieldのAIに設定する。

 

 その後、Dynamic YieldのAI/機械学習アルゴリズムがユーザーセグメンテーションとA/Bテストをリアルタイムに自動で実施し、セグメントごとに最も売上向上に効果のあるコンテンツやメッセージ表示を行う。

 

 事前準備こそ必要だが、設定後は完全に自動でユーザーに合わせてパーソナライズされた、コンテンツやメッセージが自動で表示され、ブラックフライデー期間中の売上増大に大きな効果を生むことができた。

 

・ページビュー数が前年比35%増

・自社ECサイトからの注文が前年比20%増

・ブラックフライデー期間の売り上げが前年比35%増

 

 Sabon NYCではこの結果に大いに満足し、現在もDynamic Yieldの利用による改善を継続して続けている。AI/機械学習を活用したパーソナライズ化は、Sabon NYCの自社ECサイトのリピート率とエンゲージメント率の向上に大いに貢献をしている。

 

 

4.既存のソリューションを組み合わせて実現を目指せるか

 

 国内でDynamic Yieldと同等のレベルで様々な施策をワンストップでパーソナライズを提供しているソリューション事業者はあまり見られないかもしれないが、リアルタイムでの行動履歴などに基づくユーザーセグメンテーションと、それを反映した各種キャンペーンの自動でのパーソナライズを実現できる仕組みづくりを複数のソリューションを組み合わせることである程度実現できるのではないだろうか。

 

 エンゲージメントを高める上で、自動化に頼り過ぎることはキャンペーンの同質化を招く可能性があるが、効率的なキャンペーンを実施する仕組みとしてDynamic Yieldのソリューションのような思想を持って、タッチポイントの最適化を図るための仕組みは競争力を強化する上で検討してみる価値があるだろう。 

 

 

 

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執筆者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

AI/INNOVATION SOLUTIONチーム

 

大手通信会社、総合商社、大手メディア企業、クラウドベンダーなど多様な業種でのAIプロジェクトの推進支援や新規事業創出推進支援を実施。各メンバーの支援実績や知見の活用と外部パートナーとも連携しながら業種を問わず大手企業におけるAIプロジェクトを推進や、新規事業/イノベーション創出に関連するソリューションを提供。

 

監修者

株式会社ベルテクス・パートナーズ

執行役員パートナー 東條 貴志

 

スタートアップでの新規事業立ち上げや事業責任者などの経験と、アーサーアンダーセン、ローランド・ベルガーなど複数ファームでの10数年のキャリアに基づく先端領域における大手企業の新規事業・イノベーション創出支援やAI/機械学習を活用した事業創出/業務改革に多数の経験を有す。

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